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熟睡してますか?   睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群とは,10秒以上の無呼吸発作が一晩で30回以上出現する状態をいいます.
これはさらに,1)無呼吸発作中,呼吸努力が認められる閉塞型,2)無呼吸発作中,呼吸努力が認められない中枢型,3)両者が混在する混合型の3つに分けられます.中枢型は,呼吸中枢の異常や,中枢神経疾患などでおこります.これに対して,閉塞型は何らかの原因で上気道が閉塞することによっておこり,睡眠時無呼吸症候群の大多数を占めます.具体的には,上気道内腔の形態学的狭小化(小顎症,舌肥大,扁桃肥大,肥満など)や上気道緊張の低下(アルコール,睡眠薬など)が原因のことが多いようです.

睡眠時無呼吸症候群の症状は?

いびき,浅い眠り,起床時の頭痛,日中の傾眠など睡眠の分断による症状が現れます.居眠り運転もしやすく,交通事故を正常人の数倍起こしやすいとされます.症状が強いと記憶力や集中力の低下,性格の変化などがみられます.また,血圧の変動も激しく,高血圧,不整脈,肺高血圧などの循環器疾患の合併率も高くなり,突然死の頻度も高くなります.頻度は,全人口の1−数%とされ,予想以上に多い疾患です.

 問診 Epworth Sleepiness Scale (ESS)

 以下の8つの状況において、次の4つの段階で睡眠を評価する方法もあります。

   
点数
座って読書しているとき
0 1 2 3
テレビを見ているとき
0 1 2 3
人がたくさんいる場所で座って何もしていないとき(たとえば会議中や映画を見ているときなど)
0 1 2 3
車に乗せてもらっているとき(1時間くらい)
0 1 2 3
午後横になって休憩しているとき
0 1 2 3
座って誰かと話しているとき
0 1 2 3
昼食後静かに座っているとき
0 1 2 3
運転中、渋滞や信号待ちで止まっているとき
0 1 2 3
  • 0点:決して眠くならない
  • 1点:まれに眠くなるときがある
  • 2点:時々眠くなる
  • 3点:眠くなることが多い

 それぞれの評価点数の合計が11点以上だと、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強いと考えられます。


睡眠時無呼吸症候群の検査は?

睡眠中の無呼吸とそれに伴う低酸素血症の程度を検査します.まず,血中酸素飽和度(SpO2),脈拍,鼻の気流を測定する簡易検査で低酸素の有無,無呼吸の有無をスクリーニングします.これは,外来で弁当箱くらいの器械を貸し出して自宅で検査してもらいます.無呼吸+低酸素が1時間当たり何回あるか(AHI)を検査します.AHIが5以上の時には睡眠時無呼吸症候群と診断されます.かなりひどい無呼吸がありそうだということになれば,入院の上,さらに詳しい検査を行います(入院検査可能な病院へ紹介します).

 

睡眠時無呼吸症候群の治療は?

睡眠時無呼吸症候群はAHIが20未満であれば,肥満を治す,筋緊張を高めるクスリを使う,仰向けに寝ず横になって寝るなど,対症的に治療します.AHIが20以上であれば重症と考えられ,本格的に治療する必要があります.頻度的に閉塞型が多いので,閉塞の原因を除去するよう努めます.扁桃が肥大しているなら扁桃摘出,口腔内の形態異常による狭小化なら口腔内スプリント装着などです.現在,最も効果があるといわれているのは,睡眠中に気道を陽圧にする(CPAP)治療です.具体的には,鼻にマスクをかぶせてそこから大量の空気を送り込む方法です.これで気道が虚脱(つぶれる)するのを防ぐわけです.正常人がこの装置を装着すると苦しくてしようがないといいますが,睡眠時無呼吸症候群の人は,「よく眠れるようになった」,「頭がすっきりした」などと自覚症状も改善します.また,血圧も正常化するようです.


最後に

睡眠時無呼吸症候群は,思った以上にたくさんの潜在患者がおられる病気です.睡眠というなかなか意識しにくいことに関するものなので,受診される率も少ないようですが,突然死もありえる病気です.上に書いたような症状があるようなら,一度受診されることをお勧めします.


当院で睡眠時無呼吸症候群の検査ができます